
最近は大雨が降りやすく水害による被害が相次いでいます。
2023年6月にも愛知県や静岡県で線状降水帯による大雨が発生し、死者が出るなど甚大な被害がありました。
水害は突然やってきますので、速めの避難や対策が必要不可欠です。
しかし、避難場所が分からない場合や、住んでいる地域の危険をどうやって確認するのか分からない方もいるのではないでしょうか。
おまけに水害対策と言われても何を準備しておくとよいのか迷いませんか。
そこで今回の記事では、水害対策だけでなく防災グッズの紹介や、緊急時の安否確認の方法などを詳しく解説いたします。
この記事を読めば水害の危険性があるときに、いつ、どの段階で避難するべきなのか、必要なものは何かがわかるようになっています。
今後、大雨による水害対策を考えている方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
水害対策
大雨が降ると道路の冠水や住宅の浸水、土砂崩れ、車が水に浸かって故障するなどの被害がでてしまいます。
ここでは、被害を最小限に抑えられる3つの水害対策を解説いたしますので参考にしてください。
1.側溝の掃除をする
側溝の掃除は自宅の浸水や道路の冠水を防ぐのに役立ちます。
側溝にゴミや土が溜まっていると大雨時に排水不良になり浸水の危険度が高まります。
側溝の清掃は数ヶ月に一度のペースで清掃し被害を最小限にしましょう。
2.カーステップの設置は避ける
道路上にカーステップを設置すると、雨水の流れを妨げられてしまうのでなるべく設置を避けましょう。
道路への排水が阻害され冠水に繋がる場合も考えられます。
止水板の設置を検討する
参考画像:平塚市公式ホームページ
止水板(しすいばん)は、雨水の流入を避けるのに役立ちます。
重さは3キロほどなので土のうよりも軽く急な大雨に見舞われても対策しやすいといえます。
男性だけでなく女性でも設置や撤去をしやすでしょう。
水害が発生したときの連絡先
大雨や台風などで水害が発生したときは、各区役所、危機管理課、建設局各課に連絡をとりましょう。
例えば、2023年6月に線状降水帯により大きな被害が発生した愛知県豊橋市では、市の公式ページに緊急時の連絡先が記載されています。
水害は、トイレや洗面所、浴室、キッチンなどの水回りから水が逆流することも考えられるので、上下水道局の電話番号をあらかじめ登録しておくとよいでしょう。
水害グッズを準備しておこう
天気予報やニュースで大雨情報が流れると、水や食料を買い求める人が増えてしまい品切れになる可能性が高くなります。
水害グッズは日頃から備えていれば緊急時も慌てなくてすむので、日頃から準備しておきましょう。
土のう
土のうは水害が発生したときに自宅の浸水を防ぐ役目があります。
価格は土入りの土のうならホームセンターで2,000円〜3,000円、土のう袋だけなら500円ほどで購入できます。
飲料水
飲料水は一人あたり1日最低3リットルは必要です。
水は断水が発生したときのことも考えて1週間分用意しておくとよいでしょう。
特に、賞味期限が10年と長い災害対策用の水を用意しておくと安心です。
食料
飲料水と一緒に食料も用意しておきましょう。
最近では携帯おにぎりがあり、水またはお湯を注ぐだけで簡単に食べられます。
お湯なら15分、水なら60分で完成です。
あと、カンパンやようかんなど栄養価の高いものや甘いものを用意しておくと体力も維持できます。
非常用トイレ
災害時に最も困るのがトイレです。
もし、断水になるとトイレの水も流せなくなります。
このような時は非常用トイレがあると非常に便利です。使い方は便器に被せるようにして使います。
緊急時用にいくつか用意しておけば水害時でも役立つでしょう。
なお、凝固剤が入っているため固まるので臭いも発生しません。
防寒・防風アルミ寝袋
アルミの寝袋は防寒に役立ちます。
雨で体が濡れてしまうと体力が低下しやすいので、防寒・防風対策のできるアルミ製の寝袋があると寒さをしのげます。
医療品や衛生用品
避難生活が長引くと衛生面なども気になるでしょう。
リュックの中には綿棒や爪きり、バンドエイド、アルコール消毒液、解熱剤、ガーゼ、ポケットティッシュ、液体歯磨きなどを常備しておきましょう。
給水バッグ
ポリタンクが用意できないときは給水バッグを使ってみましょう。
キャップ式なのでこぼれにくく、持ち手があるので楽に運べるのが特徴です。
ラジオ
ラジオは情報を受信するために非常に便利なため必ず用意しておきましょう。
携帯の充電機能や懐中電灯がついているものもあります。
サランラップ
断水していると水が使えないため食器類を洗えなくなります。
サランラップはお皿やコップにひいて使えば洗わずに済みます。
少し大きめにカットして完全に隠れるようにして使いましょう。
サランラップは薄いためゴミの量も少ないのも特徴です。
レインコート
レインコートは雨が降っているときの避難に重宝します。
体が濡れていると体力の消耗が激しくなるため用意してきましょう。
レインコートは上下が別れているタイプだと露出した部分が濡れにくくなります。
ヘルメット
ヘルメットは夜中で視界が悪いときの避難や、頭上の障害物に当たったときのケガを防げます。
暗い場所は頭をぶつけてしまいやすいので用意しておくと安全です。
懐中電灯
懐中電灯は夜中に避難するときや、暗い場所へ移動するときに必須です。
手持ちタイプだけでなく、ペンダント式のものもあるためハンズフリーで行動できます。
カセットコンロ
カセットコンロはガスが使えなくなった時や停電時に役立つアイテムです。
ボンベも忘れずに数本購入しておきましょう。
避難所へ行く基準
天気予報やニュースなどでよく「避難してください」耳にしますが、避難場所や高台など安全な場所がわからなくて避難できない方もいらっしゃるでしょう。
しかし、水害は状況次第で速いペースでやってきます。
ここでは避難所へいく基準や、安全な場所を確認する方法を具体的にみていきましょう。
ハザードマップを確認する
ハザードマップとは災害が発生したときに危険と思われる箇所、避難場所などの情報を地図にまとめたものです。
災害リスクを確認できるため、事前に確認し危険がおよぶと判断したらすぐに避難しましょう。
大雨のときはハザードマップを確認すれば、未然に被害を防止しやすくなるため、こまめに確認することをおすすめいたします。
身の危険を感じたらすぐに最寄りの避難所へ行ったり、高台に避難したりするなど命を守る行動をとってください。
なお、ハザードマップの確認方法は、国土交通省が運営している「ハザードマップポータルサイト」か、自治体が提供している防災アプリをインストールしてください。
防災気象情報を確認する
防災気象情報の役割は次の通りです。
防災気象情報には、市町村の避難情報の発令判断を支援する役割と、住民が主体的に避難行動をとるための参考となる「状況情報」の役割があります。大雨等の際には、市町村からの避難情報の発令に留意するとともに、避難情報が発令されていなくとも、防災気象情報等を用いて自ら避難を判断し、適切な避難行動をとるよう心がけましょう
引用元:首相官邸
つまり、住民に自主的に避難を促すように気象庁が作った警戒情報です。
警戒情報は下の表にまとめています。
気象庁の情報 | 住民がとるべき行動 | 避難情報 | 警戒レベル |
・大雨特別警報 ・氾濫発生情報 |
・直ちに身の安全を確保 ・命の危険があるので外へ出ない |
緊急安全確保 | 5 |
・土砂災害警戒情報 ・高潮警報 ・氾濫危険情報 |
・危険な場所から直ちに離れる ※この情報が出たら直ちに避難する |
避難指示 | 4 |
・大雨警報(土砂災害) ・洪水警報 ・氾濫警戒情報 ・高潮注意報 |
・高齢者などは危険な場所からの避難を実施する | 高齢者等避難 | 3 |
・氾濫注意情報 | ・ハザードマップを確認し、避難先や避難経路を確認する | 大雨・洪水・高潮注意報 | 2 |
早期注意情報 | ・最新の気象情報を確認 ・防災グッズの準備 |
災害への注意 | 1 |
参考:気象庁
上記の情報が発令されたときは、自己判断で「自らの命を守る」行動をとるようにしてください。
特に警戒レベル4の避難指示が出たときは速やかに避難してください。
避難するときの4つの心得
大雨などで「緊急避難指示」や「緊急安全確保」が出た場合、どのような心構えで行動するとよいのかまとめました。
1.忘れ物があっても戻らない
もし、貴重品の忘れ物があっても取りに戻るのは避けてください。
戻ったときに濁流にのまれたり、道路が冠水したりして歩けなくなる危険があります。
2.単独行動は避ける
可能な限り単独行動は避けて近隣住民の方などと一緒に避難してください。
もし、誘導員がいれば必ず従うようにしましょう。
単独行動は道に迷ったり、氾濫している場所に入り込んだりする危険があり、命を落とす可能性がありますので避けてください。
3.徒歩で避難する
災害時は必ず徒歩で避難しましょう。
車を使うと渋滞を引き起こし、消防や救急活動などにも影響を及ぼしてしまいます。
他にも車が水に浸かるとドアをあけられなくなり最悪の場合は死亡してしまいます。
安全な服装と運動靴を履く
長靴は水位があると重くなって歩きにくくなり、転倒する危険があります。
安否確認の連絡について
突然の水害に巻き込まれてしまい家族や親戚、友人と離れてしまい連絡がつかなくなってしまった場合、安否が気になるのではいでしょうか。ここでは安否確認の方法を解説します。
LINEで安否確認
まずはLINEで安否を確認しましょう。
LINEには「LINEスマート通知」という機能があります。1人ひとりが3箇所まで場所を登録できるため、職場や自宅など多くの時間を過ごす場所を登録しましょう。
LINEスマート通知は地域の天気予報や土砂災害、河川洪水などの情報を受け取れます。
登録方法は次の通りです。
1.LINEホームの検索欄から「LINEスマート通知」と検索して友達追加する。
2.画面下部の「スマート通知設定」タップ。
3.「防災速報」を選ぶ。
4.通知をオンにすれば登録完了です。
災害伝言ダイヤル【局番なし171】
水害が発生したときに家族と離れてしまった場合、安否が気になったり、自分は安全であると伝えたい場面が訪れるでしょう。このようなときに役立つのが災害伝言ダイヤルです。ここでは簡単に使い方をみていきましょう。
1.まず、171へダイヤルする
2.伝言を録音するなら「1」を押し、伝言を聞くなら「2」を押す
3.被災地の人の電話番号(市外局番から)か携帯番号をダイヤルする
4.「1」を押す
5.録音/再生をする
6.終了したら「9」を押す。
以上が災害伝言ダイヤルの使い方です。
災害伝言板
被害にあったときに安否を確認する方法として、災害伝言板も役立ちます。
伝言板にメッセージを登録すれば相手へ安否を伝えられます。
災害伝言板の使い方は次の通りです。
1.災害伝言板にアクセスする。
2.災害伝言板の「ご利用はこちら」をクリック。
3.電話番号の入力とメッセージを入力して「登録」を押す(メッセージは100文字以内)
4.伝言板への登録が完了
なお、災害伝言板は体験利用ができるのですぐに使い方を覚えるのに役立ちます。
この機会にぜひ、体験してみましょう。
スマートフォンのバッテリーを長持ちさせる方法
水害時に停電が長引くとスマートフォンのバッテリー消耗が気になるかと思います。
ここではバッテリーを長持ちさせる方法を簡単に説明いたします。
iPhoneの場合
iPhoneの場合は低電力モードに設定しましょう。
設定方法は次の通りです。
- ホーム画面にする
- 設定をタップ
- バッテリーをタップ
- 低電力モードをタップ
以上で低電力モードに設定できます。
Androidの場合
Androidには「自動調整バッテリー」という機能がありますので、設定すればバッテリーを長持ちできます。
- ホーム画面にする
- 設定をタップ
- バッテリーをタップ
- 自動調整バッテリーをタップ
- 自動調整バッテリーの使用のスイッチをオンにする
以上が設定方法です。
まとめ:水害対策を実施して被害を最小限に抑えよう
水害は線状降水帯や台風などが発生したときは、わずかな時間で道路が冠水してしまうため、日頃から対策をしておくことが肝心です。
緊急連絡先を登録しておいたり、防災グッズを備えたりしておけば被害を最小限に抑えられます。
「あとでやればいい」という気持ちではなく、すぐにでも準備すれば緊急時に焦ることもありません。
全員が命を守る行動を知っておけばパニックにならないため、落ち着いた行動を取れるようになります。日頃から防災意識を持ちしっかりと対策を取るようにしましょう。